きおくにないうみ ver.3

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

*    *    *

Information

□ 青い瞳の妖婦と作家 □

17. 終わらない混沌

 コンスタンスとダルタニャンが消息を絶ってから7日後。

 孤独な太后をそそのかし、不当な条約を手引きしていた侍従。
 不遇な境遇の王弟を甘言で操り、王位奪取を画策していた侍女。
 塩で財を成した商人だが、かつて盗賊の頭領だったという噂が絶えない財務卿。
 横恋慕する王妃の心を奪うためならば、国を巻き込む戦争も厭わない隣国の宰相。

 この4人が次々と暗殺され、外敵の排除と引き換えに、枢機卿派は対立する王妃を陥れるカードも失った。

 同時に分裂状態にあった銃士たちが次々と立ち上がり、各地で小競り合いが多発するようになる。

 2年半前……
 銃士隊から引退したアトスは、宮廷批判の書簡を次々と書き記して、各勢力から注目を集めていた。

 それまで宮廷では王妃派が優勢だったが、王妃派の有力者と目されていた近衛銃士隊の隊長フランソワは、突如、枢機卿による政治を評価し、銃士隊にはびこるスパイの告発と早期解散・解体を宣言した。
 宮廷は混乱し、それまで王妃寄りだった国王や貴族たちは、改めて枢機卿を評価し、数日で勢力は逆転した。

 王妃派の幹部は、即刻フランソワの銃士隊隊長の解任を宣告し、早期解散説を取り消した。
 だが、銃士隊内の混乱や内部分裂、そして権力闘争による腐敗のために、大きく変わってしまった流れを戻すことは出来なかった。
 かくして、具体的な変革はなされぬまま、王妃と枢機卿による争いはひとまず終了した。

 銃士の主要メンバーは、表向きでは姿を消したが、一触即発の危機感は消えなかった。
 そして現在も、銃士隊隊長フランソワ失踪は謎のまま。
 彼が何を意図していたか、何か書き残したものはあるのか、そのいかんによって宮廷内も民衆も如何様にでも揺れ動くだろう事を、両陣営共に警戒していた。

 “片腕のカリスマ”と呼ばれたフランソワも、元は枢機卿派のスパイだった。
 彼とともに送り込まれ、監視していたのがコードネーム・Aramis。
 枢機卿派ナンバー3の地位にあり、宮廷内部の権力闘争では中心的な位置にいる。
 あの日、混乱した王都の中からフランソワを郊外へ導いたのも、そこで最後の引導を渡したのも、ルネことAramisだった。

 銃士隊の3割は枢機卿派のスパイだったと囁かれているが、民衆の反感を恐れて、どちらの陣営も事実を公言していない。
 フランソワが若くして隊長になったのも、彼等が巧みに演出した結果だと言われている。
 フランソワには、銃士隊の初代隊長トレビルが枢機卿派の暗殺者に襲われた時に、片腕を失ってまで彼を守ったという逸話が残っているが、その直後トレビルは謎の死を遂げている。

 フランソワがスパイであることを最初に疑ったのが、かつて三銃士と呼ばれたアトスだった。
 アトスは疑惑を王妃派の幹部に報告することなく、根気よくフランソワを説得。
 腐敗した銃士隊を解散し、スパイの疑いのある者を排斥した新たな組織の結成を提案していた。
 しかし、フランソワには枢機卿派の下に家族がいる。
 簡単にはアトスの提案に乗るわけにはいかない。





 PUB de Elephant──





「今の銃士隊では何も変えることが出来ない!
新しい組織を作ってイチからやり直すんだ!」

「アトスくん、君の熱意はわかるよ。
だが、熱意だけで全てを変えることは出来ない」

「そんなことはわかっています!
だけどフランソワ、あなただって枢機卿派のやり方に満足してはいないでしょう!?」

「アトスくん…… 君は平和と引き換えに何を提供できる?
多くの者は、可能な限り楽に平和を手に入れたいと思っているよ。 私もそうだ。
理想や忠誠心を曲げてでも、それで犠牲者が減るならその道を歩もうと思う」

「それを言うなら…… 今までだって充分平和だった……
何も知らない民衆が、宮廷の腐敗ぶりも知らずに、見せかけだけの平和を押し付けられて、ただ奪われてきただけではないか」

「君は私を買いかぶりすぎだよ、アトスくん……
私はね、ただルネを守りたい、それしか考えられない弱い男なんだ……
こんな私に何が出来ると言うんだ」

「フランソワ…… 俺はあなたを信じている。
俺はあなたが失った右腕の代わりになりたいんです!
枢機卿派や王妃派の小細工なんて全て無駄なんだと、この俺が証明します!
だから…… ……」
  :
  :
  :



BACK TOP NEXT


プチあとがき

完結です。
2ヶ月の間、お付き合いいただき、ありがとうございました。

偽名や、複数の名前を持つ人物がいるので、分かりにくかったかもしれません。

ダルコンで始まったと見せかけてダルアラ、いやフラアラか…と思ったら、王道のアトアラで締め。
しかし、最後の最後でアトフラのような気がしてきました。
……え、この話ってBLだったの?! そんなバカな!!!

本作の解説とあとがきは、次回に持ち越しますね。

スポンサーサイト

*    *    *

Information

Date:2013/11/18
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には非公開にする
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。