きおくにないうみ ver.3

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□ 二次小説・短編 □

道化ごころ 1

終わらせたつもりが終わってなかった(完全に忘却していた)連載物。
続きはこちら







道化ごころ 1





 その日のポルトスは、誰が見ても上機嫌だった。いつも以上に飲んで食べ、饒舌に語ったかと思えば、胴間声で笑い、そしていつしかぐうぐうと寝てしまった。仲間の三人はと顔を見合わせ、苦笑する。
「まったく、こんなに人が多い所で眠りこけるとは、銃士の風上にも置けないぞ」
「でも料理持った人が来ると、鼻だけはぴくぴく動くんだよね」
「ここからはヨダレも見えるぞ」
 悪態をつきながらも、彼らの言葉は温かい。口には出さないけれど、三人が考えている事は大体同じだった。こんな風にのんびり過ごせる今が一番幸せなのだと。大きな困難を乗り越えた後だけに、思いは一層深かった。

 更に夜は更け、店の客もまばらになってきたが、ポルトスは未だに眠りこけていた。起きる気配は微塵もない。ダルタニャンがそわそわし始める。
「おーいポルトスー。僕、そろそろ帰らないと……」
「お、もうそんな時間か」
 気がつけば、店の一角で騒いでいた護衛隊連中もいなくなっていた。
「女は恐いからなあ。あんまり遅くなると、またコンスタンス殿に叱られるぞ」
「う……」
 気の毒そうな表情でアトスがからかうと、案の定ダルタニャンが青ざめた。四人の中では、年若いダルタニャンだけが下宿の身である。
「ふふ、相変わらず尻に敷かれてるのかな」
 さらに追い討ちをかけるアラミスもタチが悪い。
「ち、違うよ。心配かけたくないだけだ」
「ははは。ポルトスのことは任せておけ。コンスタンス殿によろしく」


「さて、と。俺もそろそろ行くかな」
 ダルタニャンを見送ると、アトスが立ち上がった。
「この酒樽を置いて帰るのか?」
 アラミスが毒づきながら、ポルトスを小突いた。むにゃむにゃと寝言が返ってきたが、それは意識のあるものではない。
「アラミスに任せるよ」
「おいおい、ダルタニャンにポルトスのことは任せろと言ったのはアトスだぞ」
「それはそうだが」
 アトスは何事か考えながら寝入っているポルトスを見下ろした。
「ポルトスのやつ、君に話があるんじゃないかな」
「……話をしたい奴が先に寝込むとは思えないのだが」
「今夜のポルトスは、ずっとアラミスに絡んでただろ」
「そうか? 他愛ない話ばかりだったぞ」
「おそらく酔わなければ口に出しにくい内容なのだろう。それに明日の君は非番だ」
 アラミスは肩をすくめながら、あきらめたようにうなずいた。
「私が適任という訳か。分かったよ」
「では先に失礼する」
 腑に落ちないアラミスを残して、アトスは去っていった。

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あとがき

珍しく続き物。それほど長い話ではないです。
以前お会いした某さんにポルアラネタがあると宣言してましたので、実行してみました。今回は四人ですが、次回以降はポルアラ語りがまったりと続きます(笑)
(2005.07.09)
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Date:2005/07/09
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