きおくにないうみ ver.3

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

*    *    *

Information

□ 青い瞳の妖婦と作家 □

〈BadEnd編〉最後の夜

12. 公文書館で見つけたフランソワの情報を誤摩化して海に行かなかった場合。
〈BadEnd編〉呪われた舞台の別パターン。





『フランソワ、これからはあなたが銃士隊を動かすのよ』
『ああ、ルネ…… 僕にそんなことが出来ると思うかい?』
『フフフ…… すべて私が支配するわ。
あなたは私のシナリオ通りに動けばいいの。
全てはリシュリュー様の繁栄のため……』

『誰か!! トレビル隊長が襲われたーーーー!!』
『何だと!? 枢機卿派の連中の仕業か!?』
『ああ、そうらしい。フランソワが一人で食い止めたが、大ケガをしたらしい』
『犯人はまだいるのか!?』
『いや、窓から逃げた! 女だ! すぐに追うんだ!!』
  :
  :
  :



「なぜこんな話を書いているの?」

「ああ、コンスタンス。俺はあまり気が進まないんだ……
だけど舞台演出家のアンリが気に入って、それで……」

「この人…… ルネのモデルは誰?」

「君をモデルにした訳じゃないんだ。
だけど俺のイメージの中で、フランソワと君が切っても切れない関係で……」

「“片腕のカリスマ”と呼ばれた銃士隊長のフランソワは、この作品では悪役になるのね。
……こんな舞台、本気で公開するつもり?」

「演出家のアンリの発案なんだ。
『片腕のカリスマは本当は枢機卿派のスパイで裏切り者だったという設定で行こう。
その方が面白くなる』って……」

「裏切り者という設定? その方が面白くなる?
……フランソワを冒涜しないで!!」

「コンスタンス…… そうか……
やっぱりフランソワは君の恋人なんだね?」

「あなたに…… あなたなんかに
フランソワの何が分かるって言うのよ……」

「すまない…… 俺の記憶がないせいで、君には辛い思いをさせてばかりだ。
結局、俺はいつも何もできない。誰も助けられないんだ…」

「……ダルタニャン?」

「こんなに君を愛してるのに…… 守りたいのに……
誰にも苦しんでほしくないのに……!」

「……私、あなたを誤解していたのかもしれない」

「……?」

「ずっと、人の苦しみなんてわからない人だと思ってた……」

「もしかして、昔の俺は君と面識があるのかい?」

「……あなたに全て話す時が来たのかもしれないわね。一緒に来てくれる?」

***

 「象」という名のパブ。
 外にはローシュフォールとジュサックがいる。
 おそらく正面だけでなく裏口にも配下が何人もいるだろう。
 しかし、酔客で賑わっている間は手出しできない。

 だからここを選んだ。

 それに、ここは……
 ありし日のフランソワとアトスが何度も語り合った場所でもあったから──



「コンスタンス、君の方がフランソワのことを知っていると思うんだ。
俺の記憶は、町の噂話や本で読んだ話が混ざり過ぎて、よく分からないんだ」

「フランソワは確かに枢機卿派のスパイだったわ。
片腕を失ってトレビルを守ったという逸話も作られたものよ。
あなたの書いている通りにね」

「フランソワの腕に深手を負わせたのは……」

「……私よ。私が彼をずっと監視していたの。
私のコードネームはAramis。フランソワはルネと呼んでいたけれど。
彼の周りには、私の他にも4人のスパイがいたわ」

「アラミス…… じゃあ、フランソワを殺したのも……」

「そうよ。何か思い出した?」

「……ダメだ! 悲しすぎる。悲しすぎて何も考えられない。
おかしくなってしまいそうだ」

「ダルタニャン、はっきり言うわ。今夜が最後よ。
あなたも私も、もう命はないの。
もうチェックメイト、何の手も打てない。
私はあなたを殺すことが出来なかった。
二人とも枢機卿の刺客に殺られてお終いだわ」

「アラミス…… 逃げよう、アラミス!
過去の事はもういい、フランソワの事も」

「バカね…… 男ってみんなそう……
私、今からでもあなたを始末すれば、組織に帰れるのよ……」

「君の好きにすればいい。俺は、命がけで、君を……
俺を殺して君が幸せになれるなら、いくらでも殺してくれ!」





『ルネ、君の誕生日に渡そうと思っていたんだが……』

『動かないで! 子供じみた手は使わないことね。
私が今もまだ本気で愛してるとでも思ってたの?』

『これなんだ…… ……ルネ……』





「私にはあなたを殺せない……
だけど守ることも出来なかった……ごめんなさい」

「遠くへ行こう。何もかも忘れて、二人で違う人生を始めよう。
君はアラミスでもルネでもない。君は俺のコンスタンスなんだ!」

「……そうね。最後に星を見て歩きたいの。いいでしょう?
あなたの夢物語をもっと聞かせてくれる……?」





「どうだいコンスタンス、ここからの展開には自信があるんだ。
なんて言うのかなぁ、ほら、創作意欲って言うのかなぁ。
書きだすとペンが止まらないんだ……

おおお、コンスタ~~~ンス、君の言うとおりさ……
だけど、その…… なんて言うかなぁ、
もし僕のこの作品が出版されたら……
その時は、コンスタンス……

コンスタ~~~~~ンス ウヴァテュ~~~………」



 FIN




プチあとがき

「最後に星を見て歩きたい」
→ パブの外へ出る
→ ローシュフォールたちが待ち構えている

つまり2人は死ぬ覚悟でパブを出て行ったと……心中に近い感じか。
ハッピーエンドのように、アトアラの心は通じ合ってるけど、共闘はしない。

バッドエンドの中では、比較的好きな話。悲劇だけど。

スポンサーサイト

*    *    *

Information

Date:2013/12/23
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には非公開にする
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。